痴女ものの件数を並べると、派手な設定より生活の延長にある設定のほうが伸びています。人妻・主婦9,754件、OL2,082件に対して、野外・露出552件、温泉204件、旅行にいたっては14件。非日常な場面ほど作品が薄いという結果でした。なぜ日常系のほうが支持されるのか、リアルさと背徳感がどこで釣り合っているのかを、実測データから読み解きます。
非日常な場面ほど、作品が薄い
まず数字から確認します。痴女ジャンルと場面系のジャンルを掛け合わせた結果です(AVフロアの実測)。
| 場面 | 痴女との交差 | 性格 |
|---|---|---|
| コスプレ | 967 | 非日常。衣装で作る |
| 野外・露出 | 552 | 非日常 |
| 逆ナン | 335 | 日常の延長 |
| ナンパ | 308 | 日常の延長 |
| 水着 | 258 | 非日常 |
| 温泉 | 204 | 非日常 |
| お風呂 | 73 | 日常だがジャンルとして薄い |
| 旅行 | 14 | 非日常。ほぼ存在しない |
場面系のジャンルは、合計しても3,000件に届きません。痴女もの全体61,198件と比べると、ごくわずかです。場面を軸にした作品は、そもそも多くありません。
一方、タイプの側を見ると数字がまるで違います。人妻・主婦9,754件、OL2,082件。この2つだけで場面系すべての合計を大きく上回ります。
日常系は「場面」ではなく「タイプ」に入っている
ここが重要な点です。日常的な場面を描いた痴女ものが少ないわけではありません。それらは場面のジャンルではなく、タイプのジャンルの中に含まれているのです。
人妻・主婦というタイプは、それ自体が生活の場を含んでいます。相手には家庭があり、日課があり、こちらとの関係はその外側にある。場所を指定しなくても、生活の中の出来事であることが伝わります。OLも同様で、職場という場が属性に組み込まれています。
逆に、旅行や温泉のような非日常の場面は、わざわざ場面として指定しないと成立しません。そのぶんジャンルとして立てられる機会が少なく、件数も伸びません。旅行14件という数字は、そのことを端的に示しています。
なぜ日常のほうが効くのか
ここからは件数の並びから読み取れる範囲の話です。日常系が支持される理由は、「起こりうる」と思える余地が残っている点にあると考えられます。
非日常の設定は、そこに至るまでの前提が多くなります。旅行に行き、温泉に入り、たまたま二人になる。前提が積み重なるほど、自分の状況からは遠ざかります。一方、生活の延長にある場面は前提が要りません。すでに知っている場所と関係の上で、1つだけ違うことが起きるという形になります。
痴女ものが必要としているのは、断られる可能性が排除された状態です。それを成立させるのに、非日常な場所は必須ではありません。むしろ日常の中で相手が仕掛けてくるほうが、逃げ場のなさは強くなります。主客逆転の快感で扱っているとおり、逆転しているのは場所ではなく判断の所在です。
背徳感は、場所ではなく関係から生まれる
日常系の作品が持っているもう1つの要素が、背徳感です。ただしこれも、場所から生まれているわけではありません。
人妻・主婦9,754件のうち、中出しとの掛け合わせが4,435件と45.5%を占めます。この偏りは、既婚という関係そのものが行為の意味を変えていることを示しています。同じ行為でも、相手の立場が違えば別の作品になるということです。
熟女9,238件では、淫語649件・手コキ537件と言葉や手を使った攻めに寄ります。年齢差が主導権の説明を肩代わりするため、行為の結末より過程が長く描かれます。同じ日常系でも、人妻は結末に、熟女は過程に重心があるという違いが出ています。
リアルさが行きすぎると、逆に薄くなる
興味深いのが、お風呂73件という数字です。生活の中で最も日常的な場面のはずですが、痴女ものとの掛け合わせではほとんど作品がありません。
理由として考えられるのは、日常的すぎる場面は、それ自体が売りにならないという点です。ジャンルは作品の主要な要素に付与されます。お風呂で起きたことが作品の軸になるには、場所以外の要素が必要になります。
つまり日常系が支持されるといっても、日常そのものが求められているわけではありません。求められているのは「日常の中で、関係だけが逸脱している」という状態です。場所は背景でよく、逸脱は関係の側にあるほうが効きます。
日常系を探すときの手順
ここまでの内容をまとめると、探し方は次のようになります。
- 場面ではなくタイプから入る ― 人妻・主婦9,754件、OL2,082件が日常系の本体
- 攻め方を1つ足す ― 人妻なら中出し、OLならフェラか中出しが濃い
- 媒体はAVから ― 人妻はAVに5,995件(全体の61%)が集まる
場面のジャンルを最初に選ぶと、その時点で候補が数百件まで落ちます。日常系に関しては、場面を指定しないほうが選択肢が広がります。
職業ものの日常系については普段は真面目な女性が見せる豹変で、年上系については年上・人妻属性と痴女の相乗効果で詳しく扱っています。場面系の軸をあえて使う場合はシチュエーション別の魅力を参照してください。
非日常の設定が悪いわけではない
ここまで日常系の強さを見てきましたが、非日常な設定に価値がないという話ではありません。件数が少ないことと、作品として弱いことは別です。
コスプレ967件は、場面系では最大の軸です。衣装を変えるだけで「普段はそうではない」という前提を作れるため、1枚の衣装で非日常を成立させられます。場所を用意する必要がないぶん、効率のいい手法だと言えます。
野外・露出552件も、逃げ場のなさという条件を作る点で機能しています。室内であれば状況をこちらから終わらせる選択肢が残りますが、外に出た時点でその選択肢は相手の手に移ります。非日常の設定は、日常系とは別の効き方をしているということです。
問題になるのは、この2つを混同して探したときです。日常系を求めているのに場面のジャンルで絞ると、コスプレや野外の作品ばかりが出てきます。求めているものと、絞り込みの軸が噛み合っていない状態になります。
日常系は、条件を足しても枯れにくい
実用面での利点も挙げておきます。日常系の本体である人妻・主婦9,754件は、条件を2つ足しても候補が残る数少ないタイプです。
中出しを足せば4,435件、そこからAVに絞っても2,598件。この規模なら並べて選べます。場面系を軸にした場合、コスプレ967件にタイプを足した時点で3桁前半になるのとは対照的です。
OL2,082件も、中出し707件・フェラ522件までは3桁後半が残ります。日常系は入口が広く、絞り込みの余地も大きいという点で、初めて探す人にも向いています。探し方の手順は初めての痴女作品はどう選ぶかにまとめました。
媒体によって、日常系の厚みが変わる
最後に媒体差を押さえておきます。人妻・主婦の内訳はAV5,995件・成年コミック1,236件・同人2,523件。熟女はAV6,790件・成年コミック552件・同人1,896件です。
年上の日常系は、AVに集中します。実在の人物が演じるため、年齢や生活感がそのまま説得力になるからだと考えられます。同人では巨乳10,567件が全体の6割超を占め、日常系より身体的な特徴に寄ります。
絵で日常系を探すなら、成年コミックのほうが向いています。母数は4,281件と小さいものの、タイプの偏りが3媒体でいちばん緩やかで、人妻1,236件・OL359件・女教師275件と散らばります。媒体ごとの違いは3媒体の比較にまとめました。